毎年、米国・ニューヨークで開催される「Summer Fancy Food Show」。世界55か国、2500社以上が出展する米国最大級の高級食品の見本市です。優れた食品に贈られる「sofi Awards」の選出会場となることでも知られ、”食のアカデミー賞”とも称されるこの賞の行方も、大きな話題を呼んでいます。
今年の会期は6月25日~27日。山菱水産は、3月の「ボストン・シーフードショー」に続き、日本貿易振興機構(JETRO)が設置したジャパンパビリオン内に出展する機会をいただきました。
山菱水産が提案したのは、まぐろをサイコロ上にカットした「ポキ用」の商品。米国はオーガニック食品など、健康関連食品の最大のマーケット。鮮度とおいしさを保ったままに提供できるスーパーフローズン(超低温冷凍)まぐろへの関心は高く、試食を出せば、「うまい!」「絶品!」の大合唱とともに、あっという間にお皿は空っぽに……。新鮮でくさみもないので、ポキ用のソースはもちろん、フレーバーソルトをかけるだけでも、まぐろの旨みが引き立つと好評でした。
広大な会場をすべて見て回ることは叶いませんでしたが、「高級食品見本市」というだけあり、食品もスイーツも調味料も、素材や製造技術にこだわりが感じられるブースばかり。中でも目立っていたのは、ナチュラルチーズで、世界ではこんなにも多様で大量のチーズが消費されているのかと圧倒されました。いろいろと試食をしてみると、刺激や香りの強いものはごく少数派で、それぞれに個性はありながら、実際は日本人の味覚に合うチーズが多いのも意外でした。
さて、ニューヨーク滞在中、楽しみに通ったのがサンドイッチのスタンドです。少々値は張りますが(約8ドル)、それだけの価値はある味とボリューム。特にショーケースから選んでから焼いてくれるグリルサンドは、しっかりとした歯ごたえで食べ出があり、ふんわりしたパンが主流の日本ではなかなか出会えないおいしさでした。
米国といえば肉。肉といえばステーキ! というわけで、極上の熟成肉ステーキを供することで日本でもおなじみの「ウルフギャング・ステーキハウス」で、ゴージャスなステーキも堪能しました。健康志向、シーフードが人気、寿司が定着しているといっても、やはりアメリカ人の肉への思い入れは魚へのそれとは比ぶべくもありません。
圧倒的な肉食文化を持つ米国で、新鮮な本物のまぐろのおいしさ、魚食文化の素晴らしさを伝えたい。山菱水産の挑戦は続きます。